
旅好きもまだ見ぬ!?
伝統工芸品から国宝、庭園まで、徳川家にまつわる美に触れる
名古屋駅

有松の町並み

江戸時代の面影を残す絞りの産地
1608年に尾張藩の奨励で、東海道の「鳴海宿」と「池鯉鮒宿」の間に開かれた有松地区。旅人のみやげ物として考案された有松絞りとともに発展した。今もなお、豪壮な絞商の主屋をはじめとする数多くの伝統的な建物が残されており、当時の面影や風情を感じながら散策ができる。

週末には江戸時代末期の重厚な建築を
見学できる
ゆるやかにカーブを描く東海道に沿って、広い間口を持つ絞商の主屋や門が続く。曲がりぎわにある岡家住宅は、かつて絞商を営んでいた建物。主屋は有松でも最大級の規模で、1階は連子格子と海鼠壁、2階の窓は虫籠窓の塗籠造と、江戸時代末期の重厚な建築形態を残している。毎週土日(年末年始除く)10:30~15:30に建物を公開中。
名古屋城/本丸御殿

徳川家康の九男・義直の
住居として建てられた本丸御殿
名古屋城の一角をしめる本丸御殿は、尾張徳川家初代藩主・義直の住居かつ藩の政庁として1615年に完成。絢爛豪華な障壁画や飾金具などが飾られ、近世城郭御殿の最高傑作と称えられた。1945年の空襲により焼失したが、2018年に現代の名工たちの協力を得て復元。三代将軍・徳川家光の宿泊場所であった上洛殿には、狩野派による襖絵や天井板絵、きらびやかな彫刻欄間、飾金具など、贅の限りが尽くされている。

国の特別史跡に指定される
名古屋のシンボル
1610年、徳川家康が九男・義直の居城として普請を開始し、豊臣恩顧の西国大名20家により、1612年に天守が完成した名古屋城。史上最大の延床面積を誇った大天守や天守を飾る金の鯱のほか、鉄壁の守りを固めた要塞としての機能を備えていた。城郭として旧国宝第一号に指定された名城だ。
※天守閣は設備の老朽化や耐震性の確保などの問題に対応するため、現在は閉館中。
能楽堂

幽玄の世界が楽しめる
世界最大級の能楽堂
1997年に名古屋城正門前に開館。日本建築様式の優美な外観、木の香漂う内装、木曽檜造りの能舞台と630席の座席などが特徴。名古屋能楽堂定例公演(年6回)のほか、毎月さまざまな団体が能や狂言の公演を開催。定例公演では演能を解説するイヤホンガイドもあり、初心者も気軽に楽しめる。

日本独自の伝統芸能を身近に感じる
展示室では、能装束や扇、能面などを展示するほか、パネルや映像を使い初心者にも分かりやすく能楽の歴史や魅力を解説。尾張徳川家七代藩主の宗春が芸能を推奨し、発展した「芸処・名古屋」を実感できるスポットだ。
徳川美術館

尾張徳川家によって守り伝えられた
名品を保存・公開
尾張徳川家初代義直が受け継いだ「駿府御分物」と呼ばれる家康の遺産を中心に、代々の遺愛品を保存・公開する美術館。ほかにも信長、秀吉などが愛用した茶道具や香道具、現存する最古の物語絵巻「源氏物語絵巻」など、国宝9件、重要文化財59件を含む貴重な品々を所蔵する。大名家伝来家宝の所蔵では日本最大規模。

大河ドラマの衣装のモデルになった浴衣
国の有形文化財に登録されている本館や、名古屋城の不明門を模した入り口が特徴の新館では、年間を通してさまざまなテーマで特別展や企画展を開催。2023年には、大河ドラマの衣装のモデルにもなった浴衣の展示も予定されている。
徳川園

池泉回遊式の日本庭園が広がる
尾張徳川家の邸宅跡
1695年に尾張藩二代藩主の光友が、隠居所として自ら造営した大曽根屋敷跡。現在は総面積2.3haの池泉回遊式の日本庭園が広がり、高低差のある地形に照葉樹林の森や巨石を用いた岩組みなどを配置。入り口に構える徳川園黒門は、1900年に完成した尾張徳川家の邸宅の遺構。大空襲の被害を免れた総けやき造りの三間薬医門で、当時の武家屋敷の面影を伝える貴重な建造物だ。

四季折々、さまざまに変化する景色が
楽しめる
清流が滝から渓谷、川へと流れる様子を表現する龍仙湖。海に見立てた池の周りには、西湖提などの景物や飛び石、黒松などを配置。ほかにも、尾張家江戸下屋敷跡地にあった滝の石を使用し再現した龍門の瀧や、落差6mの三段の大曽根の瀧など、見どころがたくさん。